インセプションデッキとRedmine ~ぼくらの11日間戦争~

Redmineアドベントカレンダー、12/14担当のあさこです。

adventar.org

Redmineアドカレなのですが、Redmineの画面一枚も出てきません(汗)。

チケット駆動をやる上で、チケットの粒度ややっている内容にブレが出ないように、スコープ、チケット粒度、管理の仕方などを先に決めて実施しましょう、という内容について触れさせていただきます♪

 

今回の事例について

この記事の中で触れた内容について、書いていきたいと思います。

okandayo.hatenablog.com

四年目、のところの夏休みの事例です。

小学生の子供ふたりと、夏休みを最大限に楽しむためには、夏休みの宿題やっつけプロジェクトをどのように運営したらいいのか?を検討して、実行して振り返るところまでをストーリーにしてみました。

 

つい先日(11/30)、JaSST北海道※1というシンポジウムで、LTにて発表した内容をもう少し詳しく書いたエントリになります。

※1 JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSST'18 Hokkaido-開催要項

 LT資料は、こちら。

www.slideshare.net 

インセプションデッキとは

簡単にいいますと、プロジェクト憲章。

アジャイルサムライという本の中で詳しく説明されています。

 ここが私にとっては一番わかりやすく説明されているサイトでした。

blog.nextscape.net全部で10の質問があります。

我われはなぜここにいるのか(Why1)
エレベーターピッチを作る(Why2)
パッケージデザインを作る(Why3)
やらないことリストを作る(Why4)
「ご近所さん」を探せ(Why5)
解決案を描く(How1)
夜も眠れなくなるような問題は何だろう(How2)
期間を見極める(How3)
何を諦めるのかをはっきりさせる(How4)
何がどれだけ必要なのか(How5)

ここから、小学生でも理解して、誤解が生まれないようなものを選択してみました。

①何をしようとしている?(ここにいる理由)

②さて、どうしようか? (エレベータピッチ、解決案)

③こんなふうになったらいやだ! (夜も眠れない問題)

④これはやらないでいい(やらないこと)

⑤これはできなくていい(あきらめること)

 

今回のストーリー

夏休み初日の朝。

はじまりはいつものごとく、だらだらとゆーちゅーぶを見る子供たち。

休みだから、だらけてもいいのです。ただ...目的もなく同じような毎日を過ごして、毎日夜になると今日もつまらなかった~、という愚痴を聞きたくないので、いっぱつシメるところからはじめることにしました。

最終ゴールは、二人とも夏休みを「めいっぱい!」遊ぶこと。つまらないなどという愚痴を最終日につぶやくことにならないこと。

ここが大きな目標です。

この目標を達成するためにはプロジェクトをどう運営していけばいいか。

考えました。しかし、毎年のように、親が独り相撲をしても宿題は終わりますが子供たちは満足いかないでしょう。

自分で決めていないから。合意をしていないから。

同じことを繰り返すのは愚の骨頂!

インセプションデッキ!

 

①何をしようとしている?(ここにいる理由)

 母:さて。あなたたちは、誰?何をするひと?

子供たち:え~。人間~、子供~。

母:(スルー)何をすればやりたいことができるのかを考えるんだよね。

子供たち:うん!遊びたい!ゲームしたい!

母:おかあさんも、ふたりが笑っている顔が見たい!楽しんでいるところがみたい!

 

②さて、どうしようか? (エレベータピッチ、解決案)

娘:宿題早く終わらせれば遊べるんじゃね?

息子:そうだね!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

毎日日記以外の【夏休みの宿題すべて】

7月中に終わらせる!!!

実行可能な計画:母がredmineで管理

 

③こんなふうになったらいやだ! (夜も眠れない問題)

・毎日おかあさんからおこごとを言われる

・おかあさんの顔がいつも以上にこわい

・どこにも遊びに行けない

・つまらない夏休み

 

④これはやらないでいい(やらないこと)

・習ったところより先にすすんだ勉強

・寝る時間をけずって宿題をやること

・お母さんの命令にしたがう お手伝い

 

⑤これはできなくていい(あきらめること)

・自由研究(娘) →読書感想文をかくことで、自由研究をやらない選択をした

・11日間はともだちとめいっぱいあそぶこと(息子)

・あそびたいきもちを優先させること(娘)

・旅行や、まる一日でかけること(母)

 

そして、Redmine

スコープが決まったら、毎日できる量は本人たちに決めてもらいました。

昨年までは時間ドリブンでしたが、今年は宿題の問題の数全体を数えて、日数で割るという単純なものですが、掛け算をマスターした年齢の小学生がいるので、チャレンジしてみました。

※問題数は同じなのに、かかる時間が違う、というところもしっかり実感していただきました(笑)

毎日8問ずつ。読書感想文には重みをつけて、6問と数えて、さらに状態遷移(笑)も、考えてもらいました。

本を読む ⇒ 母に説明する ⇒ 話したところから、一番良かったところを箇条書きしてみる(付箋紙利用) ⇒ 感想文の形に並び替えてみる ⇒ 清書

 RedmineはScrumプラグインを使って実施。ユーザストーリーは教科。

1日分の問題をチェックリストプラグインをつかってチェックボックスに印をつける。

タブレットで見ながらやってもらいました。

 

無事、目的達成、毎日日記以外は7月中に終了しました。

ちいさな成功体験ゲット!です。

 

振り返り

振り返り(宿題を終えて)

息子:あきらめることをきめといてよかった!

娘:8月に友達といっぱい遊べそう!

  宿題やるのは大した問題じゃない。全部がどのくらいあって、毎日何をやればいいのか、何をやれば終わるのか、がわかってよかった。

 

振り返り(夏休みを終えて)

息子:結構たのしかったかな。でも、ゲームクリアできなかったのはくやしい。

娘:自由研究本当にやらなくていいのかな、と不安になったけど、やらないと決めたし、その分読書感想文をしっかりかこうとおもったから満足。友達ともしっかり遊べた!

 

 来年への伏線

  • 一番大事なのは、自分も当事者になること。
  • はじめにインセプションデッキを作るとき、「やらなくていいこと」「できなくていいこと」を区別して出してもらうのが結構難しかった。(子供それぞれの性格・特性で気にするところ・大事にするところが違うので。)
  • ゴールが変わるので、振り返りを途中で入れるタイミングも計画したほうが良い。
  • やりたい度合い(ゴールへの熱量)がおもったより低くなってくるので、モチベーション維持をする仲間と施策がやはり必要。楽しみも継続は難しい。
  • エレベータピッチ上でホールドポイントを設け、その時点での振り返りをし、インセプションデッキへ反映していくことが最も大事。
  • 振り返ると同時に、チケットもできるならもう少し興味をそそるような「しかけ」を入れていくと、モチベーションも続くのではと思った。

 

と夏休みの振り返りを書いていますが、もう来週から冬休み...

もう少し楽にできる方法も考えようかな...

ということで、trelloにも挑戦しております。

また、感想はいずれ書きます。

 

ここまでお付き合いくださってありがとうございました!