15年前にみた映画。当時書いた感想そのまま掲載。
ポロックの画集を買って、久しぶりに感想を開いた。
30歳のころに書いた文章。
相変わらず小並感だなぁ・・・。
トム・ウェイツの曲も久しぶりに聞きたくなった。
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2003年公開作品。評価は・・・78/100.
エド・ハリスの渾身の演技に脱帽!絵を描くシーンのために、10年もかけて、ポロックの絵画スタイルを身につけたらしい。すごい!
すさまじい人生を送ったポロック。この映画の哲学性を見抜いて、曲を提供したトム・ウェイツ。人生の刹那な時間との戦いにおいて、勝敗はない。
人それぞれが生きている意味が有ると見出せれば、それはそれで意義ある人生になっているのだ、というメッセージ。
人は孤独の中に生き、死んでしまう。でも、それを美学のような切ない曲に昇華させたトム・ウェイツ、すごいとしか言いようがない。
トムウェイツは、哲学的な曲を多くつくっている。
この間、国際フォーラムでみた「ヴォイツェク」というオペラは、全編がトムウェイツの曲で、その世界観を舞台で表している。
衝撃的な作品だった。
人は一人では生きられず、また、自分のエゴだけを主張して貫き通すこともできない。自分の人生だが、制限はある。
その制限の中で、それぞれが人生の喜怒哀楽を見つけ、その中から最上のものをえられた時に、達成感を見出す。
時にははみ出し、快楽に溺れ、そのまま溺死してしまう・・・
その状態にあったのが、ポロックなのかなぁ・・と私は思いました。
ポロック固有の人生観が現れている抽象画は、理解できない。
でも、理解するのではなくて、その絵の中から、自分なりに何か見つけ出せれば、ポロックが言いたかったこと・表現したいことと相違があっても、自分にとっての「意義」になるんじゃないのかと思う。
いえることは・・・芸術家は難しい。
特異な人生を送るものなんだなぁ、ということです。
いい作品をみれてうれしかった。
ストーリー***********************
1949年8月、『ライフ』誌に全段抜きの見出しが躍った。
――“ジャクソン・ポロック:米国で最も偉大な画家か?”
記事にはカンヴァスをバックにポーズをとる彼の写真が添えられていた。
着古した黒のジャケットにブルー・ジーンズをはいたポロックは、挑戦的に胸の前で腕を組んでいた。
彼はあまりに鋭敏でピュアな感性のゆえに、自らを表現せずにはいられない気持ちと世間をシャットアウトしたい思いとの間でせめぎあっていた。
そんな彼の心と創作を献身的に支えたのが女性アーティスト、リー・クラズナーだった。だが、ポロックの脆い精神はやがてきりもみ降下を始める。
そして、1956年夏のある霧の晩、酒を飲み、二人の女性を乗せてイースト・ハンプトンの道路を疾走していたポロックは、路傍の木に激突して44年の
生涯を閉じた。人は彼を“アート界のジェームズ・ディーン”と呼んだ……。
彼の〈死〉は自殺か事故か?
その謎は観客にゆだねられることになるのだが──。
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