恋文  ~WaterFall からAgileへの讃美歌~

 


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あきこさん(@akiko_pusu)画

 

僕、48歳、独身、とある会社の課長をやってます。名前はWater・Fall。

うちの課にいる”やばい子”が気になりだして数年。「やばい子」は、A・Girl (A・Gile).

そう、僕にとっては唯一無二の女の子。

年齢差があるので、想いを伝えるかどうかはまだわからない。この年になって恥ずかしいが、やはり怖いのだ。ダメだった場合の負い目を感じながら教育していくことはできないし、でもこの想いはどんどん成長していってしまっている。

今の自分の気持ちの整理として、ラブレターもどきを書いてみようと思う。

一度しかない人生、悔いのないように楽しみたい。

・・・あ。これも、彼女の受け売り・・・。

 

ラブレター

 

僕はあなたを尊敬している。そして、大好きだ。

僕にない素晴らしいものを多く持っている。

突然こんなことを言われて戸惑うかもしれない。

こう思うようになったいきさつ、素晴らしいと思うところについて、出来事を振り返りながら書かせてほしい。

からかいでもなく、誇大表現でもなく、これは僕の素直な気持ちなのだということをわかってほしい。

 

出会い

君が入社してきたのは5年前。

きれいな子だなとは思った。でも、それ以上でもそれ以下でもない。

僕は43歳で、課長になりたてだった。新人が入ってきたのも久しぶりで、ちょっと新鮮だった。

 

入って来て早々、君はいろいろと僕に食い掛ってきたね。すごい度胸だと思ったよ。

君の価値観は、君の生い立ちからきているということを知ったのは、飲み会で二人で話したときなので、この2年くらい後かな。それは、また別の機会に触れて書くことにしよう。

 

とにかく、衝撃的で刺激的だったよ。僕の気質が、すべて綿密に最初にきめて、それをゆるぎないものだと確信してから動くタイプだから。

 

あの時。社員旅行で飛行機に乗ろうとしたときの出来事。君のすばらしさを痛感した初めての出来事だ。

 

僕は課員分のチケットを1か月前から手配していた。

当日にチケットを受け取ると、それは行きの分ではなく、帰りの分のチケットだった。

綿密に計画し、社員旅行費もきっちり見積もってそれに見合う計画を立てていた。なのになぜ?どこでこんな間違いがあったのだ?僕の計画に失敗があるなんて・・・。最初からこんなイレギュラーなことがおこってしまった。

目の前が真っ暗だった。そんな状況の時に、君は、なんていったか覚えているかい?

 

「とりあえず、明日の便を確保してきました!いま羽田にいるし、今日はTDLでもみんなで行って楽しんじゃいましょう!近いし!」

 

「どうすればいいんだ・・・」

こんな気分でいっぱいだった心を、君の柔軟さが、太陽のような笑顔が溶かしてくれた。

僕に反抗するばかりだった君が、なぜ僕のために?と思い、質問をしたね。

「フォローありがとう。なんで動いてくれたんだい?僕のために・・・」

すると、君はまたまた僕の想像を超えた答えをくれた。

「WFさんのためじゃないです。社員旅行は、みんなのものでしょ?ダメなら楽しそうな次の施策を考える。時間がもったいない。みんながしらける時間が長いと、心も離れて行っちゃう。だったら、動ける人が動く当たり前じゃないですか?」

 

これを機に、君が気になりだしたんだよ。この子はただ若いだけじゃない、バカじゃない、ってね。あ、怒らないでくれよ。最初の君の印象が悪すぎただけなんだからね。

 

みんなを大事に、そして柔軟な心

 僕の課は、僕が課長になる前から静かだった。本当に、「静か」。この言葉がしっくりくる環境だった。

中計で中期的(5年程度)の仕事の戦略をたて、年計で次年度の計画を立てる。

その年計に従い、各人がしっかり計画を立てて自分の担当分をこつこつとこなす。

各人が専門性をもってとがった人たちなもんで、領域をおかすことなく仕事をこなしていた。

 君が2年目に入り、一年間の流れがわかったころのできごとだ。

 また、その流れをぶった切るような一言を君が言い放ったんだよ。

 

「仕事を縦割りにするんじゃなくて、もっとかかわりあいませんか?ちょっと、無駄がある気がしませんか?」

 

何を言っているのか最初は意味が分からなかった。

君が、ホワイトボードになにやら書き出した時には、びっくりしたよ。

一年間、みんなの仕事の内容をここまでしっかりみていたんだな、と。

新人という立場を利用して、皆にいろいろ質問をしていたのは、みんなの仕事を把握するためだったんだな、と。

 

やっている仕事の手順、内容を細分化し、重なっている部分を指摘した。

「ここが無駄です。scrumさん、XPさん、一緒にできることありますよね。毎日残業してもったいないです。声を掛け合って、一つずつ終わらせていきましょう~!細かい事務作業は、私が最後に文書化したりしますから!」

 

それから、「静かな課」という印象はなくなった。

会社が、「仕事場」ではなくなった。「学校」・・・?違うな。

「共生の場所」。そう。みんなで楽しく笑いながら仕事をする場所に変わった。

君がいると、いつも笑顔が満ち溢れる場になる。

 

本当に・・・。感謝しかない。

ありがとう。

 

これだけでも、君の魅力ははちきれんばかりに僕の心からあふれて止まらなくなる。

君と飲むようになって、君を知って・・・。

そこからのことはまた別の機会に振り返ることにするよ。

 

最後に、君が言ってくれたうれしい言葉で締めることにする。

「WFさん、あなたが今まで築き上げてきた地盤があるから、変化することができるんですよ。確固たる信頼と協調。この土台がなければ、柔軟性なんてくそくらえなんですよ!」

 

ありがとう。僕は僕のやり方がしっくりくるところでしっかり頑張れる。君がそう言ってくれたから。

 

また明日。会社で会おう。